河村たかし市長が名古屋城天守を木造で再建しようとしたところ、「障害者団体」が最上階までストレッチャー型車椅子を移動できるエレベーターを設置しろと無理難題を主張。
再建について意見を述べる市民討論会で、反発した人から暴言が飛び出るなど紛糾してしまう。



江戸時代に作られた名古屋城天守(国宝)は太平洋戦争の空襲で消失したため、現在は鉄筋コンクリートのレプリカが石垣の上に建てられている。
これの耐震性が不足しているということになり、それならば木造で当時のように再建しようとしたのが河村市長。
しかし新たに建築ということになれば、バリアフリー法によって公共施設の建物は車椅子にも配慮しなければいけない。
天守をぶち抜いて大きなエレベーターを設置したり、隣にエレベーター塔を建てて城の外壁に大きな入り口を開けるということになれば美的にも欠け、後の世に文化財として認められないだろうということから、河村市長は階段に設置する椅子と昇降機で何とかならないかと交渉。
しかし空気を読まない「障害者団体」と、名古屋城天守を忠実に再現したい人たちが喧嘩を始めてしまったという顛末。

名古屋城は障害者手帳を持っていれば入場料は無料だし、再建された本丸御殿に車椅子も入れる。
なので名古屋市内の障害者が市長に怒っているという話は、あまり聞かない。
むしろ「福祉特別乗車券」で市内の地下鉄とバスと名鉄と近鉄が無料になったので、感謝している声が多い。
はたしてストレッチャー型車椅子に乗って狭い木造名古屋城の最上階に登りたいという人はどれだけいるのか。

名古屋城再建、小型昇降設備の導入撤回を 障害者団体 産経
名古屋城天守閣の木造復元事業を巡り、小型昇降設備を導入するとした名古屋市の方針を撤回するよう愛知県の障害者団体が市に要求することが6日、団体への取材で分かった。団体はストレッチャー型など、一部の車いすが利用できないとして「多くの障害者に対する人権侵害だ」と訴えている。


障害者への差別発言相次ぐ 名古屋城復元めぐる市主催の討論会 朝日新聞
だが「史実に忠実な復元」をめざす河村市長は昨年12月、天守最上階まで昇降機を設置しないことを許容する発言をし、障害者団体が「障害者に対する人権侵害で到底承服できない」と抗議していた。