中国が戦後賠償の放棄を取り決めた日中平和友好条約を破棄し、三井商船の運搬船を差し押さえする暴挙。

中国が商船三井の船舶差し押さえ - MSN産経ニュース


日中の戦後賠償については、日中共同声明及び日中平和友好条約において賠償請求を放棄し、代わりとして総額3.6兆円のODAを行ってきたわけですが、それが全て反故にされたと。
これまで中国政府は自国民や近隣の小国に対して無法の限りを尽くして来たわけですが、ついに日本に対しても無法を振りかざしてきたと。
そもそも中国は社会主義国で私有財産を否定していた設定で、仮に請求するにしても中国政府が一括して行なうべきはずなんですけれども。

折しもWTOの統計でモノの貿易総額がアメリカを超えて世界一となり、日本のODAが停止したとしてもダメージは知れたもの、リスク大と判断され対中投資が削られたとしても、問題無いと判断した結果の行いでしょう。
日本企業の対中投資は半減していますが、年間数千億円規模ですので、たとえゼロになったとしても、 中国の貿易総額423兆円からすれば微々たるもの、 あまり痛くはありません。
貿易総額世界一の威力は大きく、中国は世界最大の自動車市場でもありますので、日本の企業は中国リスクを認識しつつも、北京モーターショーで中国生産のハイブリッドを発表するという媚の売りようです。



今回の条約破棄が巧妙なのは、一見すると三井商船、広がっても日本企業だけのリスクに見えるところ。
日本以外の国々は他人事と捉えることでしょう。
仮にも世界第三位の経済大国に対する行為ですから、アメリカ以外の国は条約すら用を成さないということなのですが。
しかし、いったいどれだけの国が自らのリスクとして認識したのでしょうか。

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