あまりに悲惨な中国農業の実態。

農民も土も水も悲惨な中国農業 (朝日新書)

化学肥料が高いため、使うのはもっぱら人糞。
発酵させて使うという発想がないので生でまく。
そのため細菌や虫が湧き、農薬の量が増える。

農家は教育レベルが低く、農薬のラベルも読めない。

農協が無く、技術指導をするものがいない。
農協のような集配システムはなく、現金を持ったブローカーが農民から農産物を安く買いたたく。

中国の農家が耕作する一戸あたりの土地は日本の3分の1。
作付け可能な面積はアメリカの半分、1人あたりの耕作面積は10分の1。
土作りという発想が無く、乾いたグラウンドのような土地で作物を育てる。

サイロが無く、ちゃんとした飼料を与えていない。
そのため豚の病気が多いが、獣医師も不足している。

村の下水が流れ込んだため池の水で作られるトウモロコシ。
深く掘りすぎて塩化した井戸水。
大河に流れ込む異臭を放つ黒い川。

衛生観念というものがなく、レストランでは廃油で作ったフライドチキン、機械油のナス炒めが出される。

農民と言っても農地の所有権はなく、「使用権」しかない。
開発があれば安値で収用されて追い出される。
大企業に買い上げられれば小作人として働くことになる。

これはもうどうにもならない。
餃子は家で作れ。

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