NNNドキュメント ニッポン“貧困社会” 生活保護は助けない」の放送内容に対して、高松市が抗議文を送付した。

まずは四国新聞の記事を見てもらいたい。

生活保護の不正受給 高松市 四国新聞

暴力団による生活保護の不正受給、職員に対する暴力というものがあって、福祉事務所が警察から人員を採用しなければならなかったと言うことが理解してもらえると思う。

高松市が日本テレビに送付した抗議文(以下抗議文、随時抜粋)でも、警察官を採用した理由が述べられている。
職員への傷害事件が発生する中で、悪質な事案の告発を含め適切な対応をようすることから、議会からの提言もあり、適正化に向けた取り組みの一環として、警察採用職員等を配置した。



番組のナレーションはこのようなものだった。
香川県高松市。
ここでは福祉の職場が、文字通り警察と一体化している。
不正受給をきっかけに、高松市は4年前、市に出向する警察官と刑務官OBの併せて5人を、生活保護の窓口に配置した。
暴力団担当だった警察出身者らの仕事は、相談に来た人の話を最初に聞く、面接だ。
藁にもすがる思いでやってくる人たちを威圧して追い返す、そんな役割も果たしている。


抗議文はこう反論している。
福祉事務所長がインタビューで警察採用職員採用の経緯、理由を説明したにもかかわらず、インタビューの部分を全面カットし、警察採用職員等が申請にやってくる人たちを威圧して追い返す役割であると、事実に反するナレーションを流し、視聴者に誤解を与えた。


警察出身職員の役割は暴力団対策であり、「藁にもすがる思いでやってくる人たちを威圧して追い返す」役割であるというナレーションは明らかな間違いである。
それ以外にも、元漁師の男性が相談する場面では音声と映像が別撮りだったなど、番組と抗議文を見比べてみて、抗議文の内容に矛盾した点は見られなかった。

番組ナレーションでは「不正受給事件を口実に、保護を求める人の資産や働く能力、肉親の経済状況などを徹底調査するよう指示したもので、保護行政は、まず相手を疑ってかかる警察的な傾向を強めた」と述べていたが、これは不正受給するものがいる以上、仕方のないことである。
番組が不正受給について説明することなく、ときには明らかな嘘も交えて、ことさらに高松市の生活保護行政や警察出身職員を貶めようとした理由が分からない。