中島みゆきの歌で感動的な最終回を飾ったプロジェクトX。
日本PTA全国協議会がおこなったアンケートで、4年連続「子供に見せたい番組」のトップに選ばれたプロジェクトXだが、番組開始当初はともかくとして、後半ネタが枯渇してからはまったく無惨なものだった。
「あさま山荘 衝撃の鉄球作戦」は佐々淳行氏から苦言
H-IIロケットの回では、アメリカを悪役にしたり、宇宙開発事業団理事長の島秀雄さんの名前が出なかったことで批判を浴びた。
「白神山地・マタギの森の総力戦」でも、内容が事実と異なると関係者から抗議を浴びてビデオ化は見送り。
三宅島やサリン事件の回では、なぜか自衛隊が出てこない。
「ファイト! 町工場に捧げる日本一の歌」では、あれている学校を演出するため、退学者の数を水増ししたり、来てもいないパトカーを出動させたりして学校から抗議された。

個人的にいうと「名古屋城再建 金のシャチホコに託す」は、戦火で焼けた文化財の修復するわけではなく、ただ鉄筋コンクリートの観光施設を作っただけなので、再建という言い方はちょっと引っかかる。
地盤の強さや建物の重量を計算せずに着工したため、清正の石垣が崩れそうになったりもした。
愛知万博を盛り上げるため、むりやり放送した感じだ。

番組内容の他には、書籍化やDVD化でNHKの子会社が大きな利益を上げたり、プロジェクトX展で企業に協賛金を要求していたという問題があった。
番組の最終回にあわせるように週刊新潮 1月5・12日新年特大号で、番組プロデューサーの申告漏れが報じられた。
申告漏れ自体は悪いことではないが、給与所得者であるはずのプロデューサーが申告漏れというのはおかしな話だ。
給料と別に副収入がないと申告漏れはしないだろう。

ロンドンハーツを見ている子供達より、ウソで塗り固められたプロジェクトXを見て泣いている大人のほうが心配だ。
きっとこういった人たちは一生だまされ続けるんだろう。


参考リンク

『プロジェクトX』はフィクションです ARTIFACT
NHKプロジェクトX、「白神山地・マタギの森の総力戦」〜奇跡のブナ林・攻防2000日 への質問状
正論
「プロジェクトX」打ち切り危機…また問題発覚 ZAKZAK
プロジェクトX〜挑戦者たち〜 ウィキペディア
週刊新潮 1月5・12日新年特大号
NHKの現状について本を紹介する 松浦晋也のL/D