航空産業が鳥と命をかけた戦いをしているように、鉄道産業も野生動物と死闘を繰り広げている。
特に近年は猟師の高齢化が進み、数を増やしたシカやクマとの接触が問題に。
列車がシカと接触すれば、乗客乗員が負傷したり車体が破損して走行不能になるおそれがあり、たとえ運良くブレーキで回避したとしても運行が遅れ経済的なダメージは免れない。



その話を聞きつけた建材メーカー「日鉄住金建材」がシカ対策の研究をしていたところ、シカがレールを舐めに来ていることを発見。
関ヶ原で鉄粉を撒いて鉄を好むことを確認し、鉄分が含まれたシカのエサを開発。
JR九州がシカ避けに試験導入を決定した。

一方、JR西は分岐ポイントに挟まるカメに困り、神戸の須磨海浜水族園に協力を仰いだ。
調査を開始した水族館は、レールの間に落ちたカメが脱出できなくなっていることを発見。
線路にU字溝を埋めてカメを誘導し救出、同時に事故を防ぐことに成功したという。


シカ・クマと列車の衝突急増 対策は「やわらか車両」日経
レールなめるシカ、目的が判明…衝突防止に利用 読売新聞
 専門家らに聞き取り調査を行う中で、シカ肉に鉄分が豊富に含まれている点に着目。飼育施設で観察を続け、繰り返し鉄パイプをなめていることにも気付いた。

 13年3月、岐阜県関ヶ原町の雑木林に鉄粉を散布する実験を開始。

JR西日本と協力してカメによる列車輸送障害を防ぐ技術を開発 神戸市立須磨海浜水族園
列車の遅れを防ぐとともに、カメの事故死を減らす技術を誕生させることができたので、
JR西日本と当園、両者ともに、なんとなくさわやかな気持ちになりました。


山賊ダイアリー(6) (イブニングKC)
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