1997年に神戸で女児を撲殺したり男児を絞め殺すなどした自称「酒鬼薔薇聖斗」ことA少年が、太田出版から自伝小説「絶歌」を発表。

絶歌
絶歌


「バモイドオキ神」など、当時一世を風靡した中2病的な言語感覚は健在で、見出しには「GOD LESS NIGHT」「精神狩猟者(マインド・ハンター)という言葉が並ぶ。
内容は、猫を殺して射精したとか、男児の首を見て美しいと思ったといった物で、読むに耐えないもの。

しかし猟奇殺人犯の心理が記されたものとして、貴重なものではある。
犯罪の描写には気持ちがこもっており、矯正は完全に失敗したことが伺える。

男児の首を小学校の校門に晒した部分。
僕の設えた舞台の上で、はち切れんばかりに膨れ上がったこの世界への僕の増悪と愛情が、今まさに交尾したのだ。
告白しよう。僕はこの光景を、「美しい」と思った。

男児を殺害した後の描写。
不規則なリズムで舌先に弾ける雨粒の振動が、僕の全細胞に伝播し、足の裏から抜け、地面を伝い、そこらの石や樹々の枝葉や小ぶりの溜池の水面に弾ける雨音と共鳴し、荘厳なシンフォニーを奏でた。甘い甘い死のキャンディを命いっぱいに含んだ僕の乾きを、雨の抱擁が優しく潤していく……。


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 太田出版の岡聡社長は「少年犯罪が社会を驚愕(きょうがく)させている中で、彼の心に何があったのか社会は知るべきだと思った」と出版の意図を説明。「本は本人の手紙を添えて遺族に届けたい」と話している。