今年1月3日に亡くなった歌手、やしきたかじんさん。
少し早かったものの、好きな酒を飲んで死んでいったのだなと、故人を知る皆が思っておりました。
しかし実の母親が息子の死に顔すら見られなかったとか、葬式に呼ばれなかったという、にわかには信じがたい情報がポツポツと流れ始めます。
そのうち、亡くなる数カ月前に入籍した3番目の妻が財産を独り占めし、本来遺産を相続するはずであった娘と揉めているというきな臭い話に。
しかし、ここまでは芸能人は遺産が多いから色々揉めるのかなと世間は受け取っていたはずです。

急転直下、話が大きく動き始めたのは、ベストセラー作家の百田尚樹さんが妻の差し出したメモを元に、たかじんさんが亡くなるまでを書いた「殉愛」を執筆してから。
TBS「金曜日のスマたちへ」やフジ「Mr.サンデー」で再現VTRを流して本のPRをしたところ、その内容があまりにもデタラメだったため、後妻や百田さんに対する疑問が噴出。

しかし「殉愛」はメディアを利用した販売攻勢を得意とする幻冬舎の出版。
秋元康、竹田恒泰、眞鍋かをりといった胡散臭いものの著名な面々が本を絶賛し、テレビや新聞や雑誌というメディアは百田さんに抑えられたのか内容について疑問をつけるようなことはせず、このままネットでのボヤに終わるかと思われました。
ところが2ちゃんねる既婚女性板(通称鬼女)に集う探偵が、妻さくらさんとイタリア人男性との結婚写真を発掘。
決定的な証拠をつきつけられた百田さんは、ついに結婚歴(重婚疑惑)を認めたのです。

ここに来て、たかじんさんの歌の作詞を多く手がけた及川眠子さんがTwitterで参戦。
百田さんは売名行為だと誤魔化しを計ったものの、自ら「殉愛」で引用した「エゴイズム」の作詞者であることを知り沈黙してしまいます。
この間も鬼女たちは淡々と「たかじんメモ」の筆跡鑑定や、「殉愛」の矛盾点を洗い出していきます。
そして外堀が埋められていく中、ついに娘さんが「殉愛」の出版差し止めを求め提訴、新聞各紙が報道に踏み切ったのです。

たかじんさん長女「殉愛」差し止め求め提訴 百田氏著作 朝日新聞

殉愛
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