さて死刑が執行されたと仰々しく報道されておりますが、冤罪が絡んでなければ職務を全うしただけですので、特に思うことはありません。
死刑制度については様々な考えがあるかと思いますが、それを理由に法務大臣を批判するのは、少し筋が違うでしょう。

死刑、またスピード執行 確定から1年4カ月 朝日

死刑といえば中国ですが、覚せい剤を運んだ容疑で愛知県稲沢市の議員が死刑にされそうですね。
この事件について中国は人権後進国だという批判の声のほうが大きいようですけども、中国はアヘン戦争で大変なことになった経緯から薬物犯罪については非情な厳罰を持って望んでいるわけです。
向こうの相場では1kg以上の覚せい剤を運んだら死刑という話ですが、市議が運んだのは3kgという量。

1回の使用量が0.02gから0.03gとされますので、10万回ぐらい。
日本の末端価格ですと2億円ぐらいでしょうか。
酒井法子さんや西川隆宏さんや清水健太郎さん、人によって症状は様々ですけども、3kgというのはけっこうな数の廃人を作れる量ですので、社会が受けるダメージを考慮すれば死刑という判断も間違ってはいません。
まあ中国の場合は裁判制度の公正性に疑問符が持たれているのですが。

死刑廃止といえばヨーロッパ諸国ですが、どうして廃止の機運が高まったのかといえば、第二次大戦時のナチス政権下で非常に多くの人が死刑にされたからでしょう。
実にドイツで4万人、フランスでも2500人が死刑となったそうです。
独裁者の悪逆非道な行いに対する反省と、人権思想の高まりから、死刑に対して嫌悪感が強いと。
しかしミュンヘン一揆の際、国家反逆罪で将来の独裁者を処刑しておけば万事解決だったような気がしないでもありません。

そして話を中国に戻しますが、死刑のハードルが低いのは薬物だけではなくて、公金に手を付けた場合も低い。
例えば郵便局で強盗をすれば死刑。
中国の郵便局は国営ですので、国の金を狙ったということで容赦なく死刑。
その結果、中国の強盗は郵便局を極力避けるようになったそうです。

また脱税も死刑。
税金は国家のお金ですから、国家の金を奪ったということで死刑。
金額や手口にもよりますけれども、いかにも金が生き死にを左右する唯物主義の中国らしいところです。