「BS世界のドキュメンタリー」でアメリカの司法制度が大企業有利に歪められているという話をやってましてね、これがまたひどい話のオンパレードなわけです。


きっかけはマクドナルドでコーヒーを買ったお婆さんがこぼして皮膚移植を受ける大火傷を負い、治療費の支払いを求めて訴えた有名な裁判。
マクドナルドが提供したコーヒーの温度が非常に高かったり、同様の苦情が700件あったのに再発防止策を取って来なかったなどの過失が認められて、お婆さんが裁判に勝ったわけです。
しかしどういうわけなのか、守銭奴の婆さんがマクドナルドに因縁をつけて高額の賠償金をせしめたというストーリーが独り歩きするんですな。

マクドナルド・コーヒー事件 wikipedia

そうしたストーリーを背景として、大企業は自らに有利なように司法制度を作り替えていくわけです。
大企業は「全米商工会議所」というロビー団体を作り、大企業に有利な司法制度改革に反対する判事を陥れることも辞さない。
大企業に有利な司法改革に反対する判事を選挙で中傷するCMを流し、裁判所が大企業の親派で占められるよう圧力をかけるんですね。

またディック・チェイニー副大統領がCEOを務めていたハリバートン(KBR)という会社で働いていた19歳の女性は、赴任先のイラクで同僚に薬を飲まされて輪姦。
性器と肛門に裂傷を負った女性は会社を訴えようとしますが、労働契約に会社とのトラブルは訴訟でなく仲裁で解決するという条項があったために訴えることすら出来なかったと。

Jamie Leigh Jones wikipedia

それでまた仲裁というのがえげつない仕組みで、仲裁する弁護士が企業よりの人なんですな。
つまり会社がどんな悪事をしたとしても、労働者が会社を訴えることはできず、代わりに用意された仲裁という方法も会社の言い分が通ってしまうと。
こんな不条理な契約を結んでいる人が、労働者の3割っていうんだから酷い話です。