戦前、松岡洋右さんという政治家がいたわけです。
彼は満州事変に対するリットン調査団の報告(満州を国際的な管理下に置くこと)を不服とし、日本国の正当性を主張し国連を脱退、国民の喝采を浴びました。
その後、彼は外務大臣に就任、日独伊三国同盟を結びました。



そして現在、孫正義さんという実業家が経団連の提言(原発事故の徹底究明、現実に即したエネルギー計画の運用)を不服とし、自らの正当性を主張し経団連に脱退をチラつかせ、一部の国民の喝采を浴びています。
イタリアやドイツを見習って、日本も自然エネルギーに切り替えるべきだと声高に叫んでいます。

作家で東京都副知事の猪瀬直樹さんは、著書「昭和16年夏の敗戦」で、日本が20倍もの国力を持つアメリカに負けることは政府の会議で予測されていたと記しています。
しかし現実を認めようとしない世論に押されて開戦してしまったと。
そして猪瀬さんは今回のエネルギー危機に対して、自然エネルギーは理想的だが現実味に乏しいと、天然ガス発電所を作ろうとしています。

昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)
昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)

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