北海道の不動産屋「常口アトム」に勤めていた暴行殺人犯と苗字が同じだったばかりに、2ちゃんねるなどで犯人の父親ではないかと「外山不動産」が中傷されていた件、TBSがNEWS23で「ネット社会の恐怖」と題して特集。

外山社長の2人の息子さんは事件とは無関係だが、2ちゃんねるなどに書き込まれてから電話がかかってきたりと大変だったらしい。
2ちゃんねる賃貸不動産板の「常口アトム」スレッド(23ではネットの掲示板とだけ説明)で、外山不動産が疑われているのを見かけ、関係ないですよと書き込む社長。

直前の書き込みに「ホントに実家なのか?」とあるように、業者が集まる賃貸不動産板ではデマを真に受けてた人は少なかったと思いますがね。
北海道の業者さんなら、知り合いに聞けばすぐ裏が取れる話しだし。
実際に外山不動産に電話してた人も主婦ぽかったし、デマが広がってたのは既婚女性板、通称「鬼女板」でしょう。

そしてデマが広がって外山さんが困っているというニュースを北海道新聞が報道し、それを2ちゃんねるのニュース速報がネタにしてコピペブログが転載し、さらにTBSが報道すると。

画面レイアウトからしてコピペブログ「午後の蒐集」だと思うんですが、どういった理由からか記事は削除されてますね。

午後の蒐集 : 【これは酷い】ネットに書かれた犯罪者の電話番号を

「嘘を嘘と見抜けない」は、もちろん2ちゃんねる元管理人の名言です。

さて、この件で思い出すのは、芸人のスマイリーキクチさんが女子高生コンクリ詰め事件の犯人だというデマを真に受けた人が中傷を続けていた事件です。
コンクリ詰め事件は当時犯人が未成年だったこともあり、十分な報道がなされず憶測を呼ぶ状況にありましたが、そこに来て元刑事の北芝健さんが著書「治安崩壊」で裏を取らずに、「一足早く出てきた別の男は、お笑い系のコンビを組んで芸能界でデビューしたという。」なんて書いてしまい、噂に信ぴょう性を加えてしまったということがありました。
今回の暴行殺人事件においても、犯人の経歴や勤め先に関する報道が十分でなかったばかりに、こうした憶測を呼んでしまったのかもしれません。

また以前、募金を集めてアメリカで臓器移植をした少年の母親が名古屋の一等地にビルを所有しているお金持ちで募金を集める必用はないというデマが2ちゃんねるの既婚女性板などで流れていました。
自分が住んでいる名古屋のことなので、現地調査及び登記簿を調べた結果、小さなビルを所有しているものの、億円単位の治療費を支払えるほどの資産的価値はないと分かりましたが、それでも既婚女性板でお金持ちだと執拗に繰り返す人がいました。

韓国化する日本のネット

彼女たちにとって、事実はあまり意味を持たないのかもしれません。

ネットでのデマを防ぐには、「嘘を嘘と見抜く」ことも大事でしょう、憶測を呼ばない十分な報道がなされることも大事でしょう。
しかし人間には信じたい情報を信じてしまうという性質があり、チェックを受けずに発言できるネットという道具がある以上、こうしたデマの発生は避けられないのかもしれません。

それともう一つ、マスコミに対する根強い不信感がデマの背景にあることを忘れてはいけないでしょう。
事実、この事件でも犯人の勤務先について伏せた報道が多かったですし、24時間テレビ不参加についても、一部を除きほとんど報道されませんでした。
TBSさんもこのブログを見てらっしゃるのですから、その辺についても触れて欲しかったなと思います。

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