連日連夜、琴光喜と相撲協会の仲間たちが野球賭博をした廉でつるしあげられてるわけですが、ギャンブルなんてみんなやってることだし別にいいじゃんと思っている方も多いのではないかと思います。
確かに国民的歌手の坂本冬美さんの弟君も野球賭博を御開帳されてたり、国会議員の横峯良郎さんが賭けゴルフをしていたなんてお話もあり、そんなに目くじらを立てるほどでもないような気もします。
ではなぜ、賭博が法律で禁止されているのでしょうか。
それは賭博という行為が、国家の大事な権利である「通貨発行権」と「徴税権」を侵し、ドラッグの一種でもあり、かつそれらの要素を兼ね備えているからなのです。
まず「通貨発行権」
野球賭博だとイメージしにくいかもしれないですけど、パチンコなんかはプリペイドカードを発行するのでわかりやすいと思います。
パチンコの玉は1つ4円とか1円とかの価値で景品と交換してもらえて、その景品もお金と交換してもらえます。
つまりパチンコの玉は通貨に準じる存在だと言えます。
カジノでのコインや、マージャンでの点棒も、流通する範囲が小さいだけで、偽札を発行しているのとあまり違いはありません。
次は「徴税権」
元々ギャンブルは不道徳なものとして禁止されてきましたが、江戸時代には仏閣を修繕する場合に幕府が富くじ(宝くじ)の発行を特別に許したりしました。
胴元は掛け金の何割かを抜くことができたので、徴税権の代わりとして与えたのです。
これは今の日本でも同様で、公営ギャンブルは地方自治体の財源になるということで、特別に許されているのです。
モナコなんかは、カジノの収益だけでやっていた時期もあります。
そして「ドラッグ」
ギャンブル依存症というのは、WHOにも認められているれっきとした病気。
脳内麻薬の働きで、一度快感を味わったら、なかなかやめられません。
依存症がひどくなると、社会生活を営むことも困難になります。
国民の健康のためにドラッグは禁止した方がいいのですが、酒やたばこのように、中毒者に税金を課すとすごく儲かるため、公営ギャンブルが運営されています。
このように賭博という行為は、国家の根幹にかかわってくるため、法律で規制しなければならないのです。
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