Googleで「福田衣里子」と検索すると、彼女に対する山のような誹謗中傷を目にすることができる。
なぜ彼女にこうした悪意が向けられるのだろう?
それはやはり、マスコミの偏向報道に対する不信が少なからずあるものと思われる。

マスコミは薬害C型肝炎訴訟の報道で、常に原告の立場に立って報道した。
薬害とは言え、民事訴訟であるにもかかわらずだ。

裁判で重要な争点となった「フィブリノゲンHT−ミドリ」のウィルス不活化処理方法や、第9因子製剤「クリスマシン」に対して裁判所の見解が分かれた理由についても詳しく報じられることはなかった。
フィブリノゲン不活化処理がポイントとなって原告代表の山口さんは勝訴し、クリスマシンを投与された福田さんは敗訴している。
この後、福田総理の政治判断によって福田さんは救済の対象に含まれることになるが、クリスマシンについての説明がなく、「一律救済」のみが強調されたため、「ごね得」と見られる素地を残すことになった。

原告の主張のみを報じ、被告の言い分どころか、裁判所の言い分すら報じてないのだから、不信感を持つ人間が生まれるのも仕方がないと思われる。

関連

薬害C型肝炎訴訟について、原告以外の立場から書かれた本は見つけられなかった。
以下の2冊を参考にした。

薬害肝炎とのたたかい―350万人の願いをかかげて
薬害肝炎とのたたかい―350万人の願いをかかげて

薬害C型肝炎 女たちの闘い―国が屈服した日 (小学館文庫)
薬害C型肝炎 女たちの闘い―国が屈服した日 (小学館文庫)