歴史秘話ヒストリアで、奈良の大仏再建。

奈良の大仏は建立直後にお肌がひび割れたり、地震で首がもげたり、源平合戦の時に燃えたり、松永久秀に燃やされたり、けっこうひどい目に遭っている。
壊れては直しの繰り返しだから、ブラックジャックみたいにつぎはぎだらけ。
でもその度にえらい坊様が諸国を回ってお金を集め、必ず再建される。
今回は江戸時代に再建した公慶上人の話。

松永久秀が燃やした大仏は、信長も秀吉も家康も再建することなく、100年もの間に渡って無惨な姿をさらしていた。
その姿を見て涙を流したのが少年時代の公慶。

公慶は37歳になったとき、再建の資金を集めるため、全国を行脚する。
大仏の螺髪(らほつ、パンチパーマ)を見せて回ったり、大仏の木組みから仏像を彫り出したりして7年かけて1万両を集め、大仏を再建した。

そして公慶は綱吉にお目通りが叶うまでになり、一緒に歌舞伎の勧進帳を見ることに。
勧進帳というのは、寺院の建立のために集めた寄付の帳簿。
弁慶が私は焼けた東大寺を再建するお金を集めている山伏ですよって、役人の目をごまかす話。
リアル勧進帳の公慶ガン泣き、つられて綱吉も東大寺の再建に支援を約束。
宮崎から巨木を運ぶのに12万人が無償で協力するなど、多くの人たちの力で東大寺は再建された。

しかし公慶自身は東大寺の再建を見ることなく、諸国を回っている最中に過労死してしまう。
死後、公慶の遺徳を称えて作られた俊乗堂(しゅんじょうどう)には、公慶の座像が東大寺に向けられて安置されている。

燃える度に蘇る大仏は、まるで火の鳥。
つぎはぎだらけだからこそ、大仏は美しい。

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