2002年7月に北海道大雪山系トラウムシ山で発生した遭難事故。
発生場所に時期、荒天にもかかわらずガイドが登山を強行したなど、今回の事故と類似点が多い。
その事故原因について、ガイドに働くインセンティブにあるのではないかと考察したサイトが、現在注目を集めている。

「いのち」と「おカネ」 大雪Journal

登山ツアーを途中で中止するとき、かなりの精神的負担がガイドにかかる。「高いお金を払って遠くから来ているのに、山に登らずに帰るのか」という気持ちが参加者には当然ある。書類送検された福岡の元登山ガイドの男性の「せっかく来たので山頂まで登らせてやりたかった」という言葉の背景には、登らせなければお客を失ってしまうのではないかという焦りが当然あったと推察される。

 登山ガイドの多くは、良くいえば個人事業主、悪くいえば日雇い労働者だ。お客さんから得たガイド料で糧を得ている。お客の多くは、一人では登れないからガイドを頼んで登らせてもらうという他力本願指向だ。悪条件にもかかわらず無事登頂に成功して下山すれば「良いガイド」、安全策をとって引き返せば「悪いガイド」というのがお客の判定である。ガイドが無理をして過剰サービスしたくなる所以である。

今回の事件ではすっかり悪者にされているガイドだが、ガイドも1人死んでいるということが忘れられてはいないだろうか。
何か理由がなければ、自らの命を危険にさらしてまで登山を強行するはずがない。
現場責任者のガイドに事故責任を押しつけてしまえば、再び同じような事故が起きるだろう。

関連

2002年7月トムラウシ山遭難事故

これもまちがったインセンティブ。

痛いテレビ : 乞食はババを引かされる