目下、柴門ふみ原作のドラマ「小早川伸木の恋」でどろどろした恋をするのに忙しい唐沢寿明が、このまえYOUと一緒に「唐沢寿明Prosents記憶のチカラIII」という番組をやっていた。
それにアメリカの盲目ゲーム少年ブライス・メレン君と、ゲーム脳の森昭雄教授が出ていたからさあ大変。

メレンくんは日本のゲーマーと対戦して好成績を収めるのだが、使用したゲームが日本で発売されてない血みどろ残酷格闘ゲーム「モータルコンバット」だったので、大きなハンデがついていたことは否めない。
盲目のゲーマーというだけで十分すごいのだから、別にハンデ付けてまでメレンくんをゲームの達人みたいにしなくてもいいのにとおもった。
座頭市みたいに普通の人間より強いほうが視聴率がとれると思ったのだろう。
日大でメレン君の脳波を計測すると、メレンくんは普通の人がゲームで使わないような所も使っているようで、いろんなところが赤くなっていた。

森教授の「ゲームが脳を破壊する」という説については、すでに多くの方々が指摘するようにエセ科学なのだが、問題なのは「大学の教授が行っているから間違いない」と短絡的に考えている方が大勢いらっしゃることだ。
「ゲーム脳」はゲームのもたらす害を説明するのに非常に便利なので、テレビ番組でよく使用される。
そしてテレビで偉い先生が話していることは正しいということになってしまうのだ。
たとえそれがどんなにでたらめなことであっても。


ということで森教授が出てきたら眉につばをつけろってことなのだが、メーテレのニュース番組「UP!」にネットゲームに熱中する中学生が出てきて、少し考えを改めた。
少年は学校から帰ると、まずパソコンの電源をつける。
ゲーム機じゃないのがわれわれの時代と違うところだ。
その後はずっとネットゲームを続け、母親に叱られてやっと手を止める。
ここまでは昔からよくあった光景だが、昔のゲームにはエンディングがあった。
クリアしてもやり続けることはあるだろうが、それでも必ず飽きるときは来る。
ネットゲームにはそれがないのだ。

ネットゲームがどんなに恐ろしいものなのか、一般的にはあまり知られていない。
ネットゲームというのは実際の人間が参加しているから、変化に富んでいて飽きるということがない。
一昔前の映画によくあった仮想現実に入り込んでしまうということが、現実のものになっているのだ。
ゲームの中で友達を作り、いっしょに旅をしていると、だんだんとゲームをしている時間が長くなってくる。
そしてある時、現実より仮想現実のほうが大事になる。

RMT(リアルマネートレード)という言葉がある。
ゲームの中のお金を、日本円で買う行為のことだ。
正直、世の中狂っていると思うが、そういった人たちがいるのだ。
RMTで日本円を稼ぐ中国人の組織もある。
そのため最近では、最初からサービスを提供している会社が直接利用者にアイテムを現金で販売するネットゲームも増えてきた。

番組は森教授が少年にゲームの代わりとして剣玉をやらせる失笑シーンで終わる。
でも森教授の学説がでたらめだったとしても、少年にネットゲームをやめさせる理由になればそれでいいんじゃないかと思ったのだ。
ムハンマドが「複利っていつのまにかすごいことになるから、利子を取っちゃダメ」と言ったとしても、おそらく理解して利子を取ることをやめる人はいなかった。
複利を理解できない人にもやめさせるには、「アッラーが禁止したから、ダメ」と言うしかなかったのだろうと思う。
中学の校則に「生徒のネットゲームは、これを禁ず」というのがそのうち出てくるよ、きっと。


参考リンク

「唐沢寿明Prosents記憶のチカラIII」感想 廃刊ダメゲーマー
盲目の天才ゲーム少年 米 X51.ORG
ゲーム脳 ウィキペディア(Wikipedia)
「ゲーム脳」徹底検証
ネトゲ始めようと思うんだが ニャー速
急増!ネット依存の恐怖 サイコドクターあばれぶらり旅
うわっ、ゲーム脳の講演会! リヴァイアさん、日々のわざ
みんなで「サンデー毎日」を買おう! ゲイムマンのブログ:砧公園秘密基地